#5 「知っている」から「味わう」へ。

ご訪問ありがとうございます。 グレイテスト母さんに興味を持って下さり、ありがとうございます。 グレイテスト母さん、企画・脚本の岡本安代です。 

制作日誌#5


完成した脚本を持って、先日、出演者の初めての顔寄せ・音合わせを行った。
出演者といっても、出演者はピアノの母と語りの娘。
わざわざ打ち合わせと表現するまでもないかと思うかもしれないが、

今回のコンサートに関しては、母と娘ではなく、出演者と脚本演出として互いのポテシャルを持ち寄り、しっかりとすり合わせを行った。どこまで、何が出来るかを確認する作業だ。


母には、3ヶ月ほど前から、選曲リストを渡し、練習してもらっていた。

1分足らずのものから10分にわたる曲まで、多種多様な曲で構成されたその選曲リストは、ピアノを習ったことがない人でも、絶対に聞いたことがあるであろう名曲ばかりで構成されている。

今回、誰もが知っている曲ばかりにフォーカスしたのには自分の原体験がある。

幼少期、ピアノを習っていた私は、小さい頃からありとあらゆるコンサートに連れて行ってもらった。もちろん、感動するものや楽しいものもたくさんあったが、どんなにその演奏が素晴らしくとも幼心に、退屈に思ってしまうコンサートもたくさんあった。

しかしそんな中で、知っている曲や馴染みの曲が始まると、心が躍ったものだ。

それは、大人でも変わらない感情なのではないかとずっと思っていた。

「知っている」という感情が「味わう」という余裕を生む。

馴染みのレストランで、いつものメニューを頼んだときの安心感と満足感と似た感情が、
ジャンルは違えど生まれる気がする。

「知っている」という土壌が、「味わう」という芽を育むのではなかろうか。


打ち合わせが進むごとに、心が躍る自分に、予想が確信に変わった。

「知っている」が「楽しむ」に変化し「味わう」に変わっていく。


選曲リストの中には、なかなかコンサートでは演奏されない曲も入っている。
「え?この曲も?!」という選曲に驚く人もいるかもしれない。

かなりお馴染みの曲なのに、久しぶりに耳にする曲もあると思う。


だからこそ、意味がある。
馴染みの旋律は、人ぞれぞれの胸にある思い出を呼び覚ます。
あの日あの時耳にした曲。想い出こそ最高のスパイスでありエッセンス。

会場に来て下さった皆さんの、忘れられないひとときを更新したいと思っています。


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グレイテスト母さん

母さんは、偉大だ。私の母さんも、あなたの母さんも。そう、グレイテスト母さん。苦しい時、救ってくれた母さんの言葉。どんな時も、母さんだけは僕を信じて待っててくれた。どんな高級料理よりも、母さんの作ったおにぎりが1番美味しい。母さんが笑顔で元気でいてくれたらそれでいい。やはり、母さんにはかなわない。そう気がついたのは大人になってからのことでした。