#7 稽古場は答え合わせをする場所。

ご訪問ありがとうございます。 グレイテスト母さんに興味を持って下さり、ありがとうございます。

グレイテスト母さん、企画構成の岡本安代です。 


稽古は毎日行うことになっている。

お互い予定を擦り合わせて、稽古場に集合する。

よりよい成果を生むために、稽古休みも必要だと思っているが、

無理なく毎日稽古場に集まるということで、計画を立てた。


お互いに仕事がある。家庭もある。地域の、クラスの役員活動もある。

もちろん、プライベートの予定もある。

2人の予定を合わせることは、まるで神経衰弱を行うかのように難しかった。


お互いの持ち時間をパッチワークするように、細かいスケジュールを立てた。


なんとかなるものだ。1日最低でも3時間〜4時間は確保できている。


序盤から稽古はとても意味あるものになっていると思う。

母にとっては稽古そのものが、想像していたものとだいぶ違っていたようで

意識と現実をチューニングするのに、時間を要した。

稽古と言っても、自主練とは意味が違う。
稽古場で稽古するのは、稽古ではないのだ。

自主練は、あくまで稽古までの間に済ませておいておくものであり、

稽古場は、お互いが自分の解釈を提案し合う場所。その解釈を答え合わせする場所。


・・・まさにこれまで私が演劇の稽古で苦しみ、そして学んだことそのものだった。


俳優で演出家の野口大輔さんに言われ続けたその言葉の意味が、

母の姿を通して、私は改めて理解ができた気がする。


稽古を有意義にするためには、台本に書かれていることを、しっかり読解しなきゃ何も始まらないのだ。

母は、私が最初の舞台稽古で苦しんだことを、今まさに体感しているようだった。

誤解のないように記しておくが、私が演出を担当しているとはいえ、

決して母に無理強いしたり、強く指摘したりしているわけではない。


「え?もう4時間経った?もう終わり?こんなに時間が短く感じるのは初めてだ・・」


「集中してたってことだね!あっという間でしょう?」


稽古が終わるとグッタリするかと思いきや、その後も夜遅くまで練習しているらしいことを父から聞いた。

一方で、私は、稽古が始まってから、驚くほど早く寝落ちしている。

稽古場での一分一秒を無駄にしたくなくて、全神経を研ぎ澄ませているのだが、

稽古を終え、家に帰るとホッとするらしい。


今日も明日に繋がる稽古ができたことに、心から感謝します。


グレイテスト母さん

母さんは、偉大だ。私の母さんも、あなたの母さんも。そう、グレイテスト母さん。苦しい時、救ってくれた母さんの言葉。どんな時も、母さんだけは僕を信じて待っててくれた。どんな高級料理よりも、母さんの作ったおにぎりが1番美味しい。母さんが笑顔で元気でいてくれたらそれでいい。やはり、母さんにはかなわない。そう気がついたのは大人になってからのことでした。